7時30分に目が覚める。自分の部屋なのに、枕が合っていなくてあまり眠れなかった。姪が夜中に泣いていた。
昨日も日付が変わる前に寝ていて、年々、新年がやってきたという感覚が遠くなる。おせちはついに買わなくなって母の手作りになった。緩い正月。
近所の神社へ例年通りお参りに行って、帰ってきて、リビングには家族全員がいた。私はそこにいるのが急に嫌になって散歩に出た。あてはない。海へ行こうと思った。
一人でいることに慣れすぎたせいか、家族といるのが面倒だと感じる。妹に子供ができてからはより家族の仲は深まり、家族らしい家族の姿にごっこ感覚が滲んでいる気がしてその空気に耐えられない自分がいる。ここが幸せの頂点、そんなふうに思えて、それを壊さないように丁寧に家族を演じている。私だけが、そんなふうに思って勝手に苦しくなって馬鹿だ。
自分に家族ができたときのことを考えて、億劫になる。一生、家族ができる気がしない。
地元の海は静かで人もほとんどいないからよかった。
深呼吸をする。
早く、あの狭いワンルームに帰りたい。