まだねむれない

日々のことと小説

2024.11.11(月)町のシュール

Instagramで『町のシュール』というタイトルで、町で見つけたシュールなもの、ことを記録している。

ふとした瞬間に見つける落とし物や景色が、偶然によってとても不思議な光景になっていることがある。そういう誰も気づかない小さな町の不思議を趣味で集めている。それをはじめたのは何年か前、たまたま歩いていた道のガードレールに一輪の赤いバラが供えられていたことがきっかけだった。白いガードレールにバラが置いてある、ただそれだけの風景。誰かがバラを一輪落として、それを拾って置く場所に困った末、ガードレールに置いたのだろうか。だとしてもあまりに完璧で美しい風景に、私は数秒その場から動けなかった。そして、写真に撮ろうとして、なぜか撮らずにそのままその場を離れてしまった。そのことを今でも思い出す。思い出してあの完璧な風景をなぜ撮らなかったのか、とても後悔している。再現することはもちろん可能で、だけどあれは偶然に出会ったからこその美しさがあって、それからは、どんなタイミングだろうと偶然に見つけた風景を写真に撮るようにしている。

 

今日は久しぶりに、そういう町のシュールな風景を見つけることができた。

 

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手袋が片方だけ、フェンスに引っ掛けられていた。まだ冬というには早いけれど、これからの季節に起こりそうな風景。

 

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これは金属の壁に夕日が当たって、私のいた角度からたまたまハートに見えた風景。

 

その風景がいつもあるとは限らないから私は写真を撮る。ある意味で一期一会な出会いを忘れないように記録すること、それはこの日記にも言えるかもしれない。同じ日は二度と来ない。

 

 

 

夜、お気に入りのキャンドルがそろそろ無くなりそうだったので、オンラインショップで購入しようとしたら、店主さんの訃報が目に入った。ソイワックスの天然精油を使ったキャンドルで、京都のイベントで購入してから気に入ってリピートしていた。店主さんにも別の催事のときにお会いしたことがあった。その時に、このキャンドル気に入って使ってます、また会えてうれしいですとお伝えしたことも覚えている。訃報の日付は10月だった。詳細はなく、ただ急逝のため閉店しますとだけHPに記載があって、信じられない思いだった。

せめてどこかに在庫がないか、ショップ名で調べたら一点だけ置いてあるところがあり迷わず購入した。

 

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もう店主さんには会えないということ、このキャンドルも使い切れば二度と手に入らないこと、同じ日は二度とないこと。書きながら、そのことを考えた。キャンドルの火を見つめて、じっと、考えた。